11月29日、八尾商工会議所において、八尾市社会福祉協議会(以下「社協」)と八尾ロータリークラブ(以下「ロータリー」)が共同で、シンポジウム「“働きかた”の未来を語り合おう!」を開催しました。このシンポジウムは、生活困窮者自立支援制度の一環として、八尾市でも「就労準備事業」と「学習支援事業」がスタートしたことを契機に、生活困窮者への支援の輪が一般の企業や市民にまで広がることを目指して開催したものです。

冒頭に市内の生活困窮者・就労困難者支援の現状について、それぞれ八尾市労働支援課と社協から基調報告があり、「一般就労後の定着が難しい」という課題が明らかになりました。

コーディネーターの白水崇真子氏(ライフデザイン・ラボ 代表理事)からは、「働くことは人間の自尊心において最重要課題」であり、「ひきこもりを放置すれば、社会的損失は計り知れない」ことなどに続けて、横浜市での就労支援の成功事例の紹介がありました。

その後、シンポジストからの発言が続きました。

菱家昭美氏(社協 常務理事)からは、一般就労後の定着支援として、既に実施している「大人の居場所づくり(お茶のま)」事業の報告と、ロータリーの協力で実現を目指している「就労体験(ジャンプ)」事業の提案がありました。

これを受けて、村本順三氏(ロータリー 社会奉仕委員)からは、就労体験事業へ協力していきたいと温かい意思表示がありました。また、協力雇用主会の会長でもある田中康正氏(ロータリー 社会奉仕委員)からは、自立に向けて頑張っている人を支援することのやり甲斐について、熱い報告がありました。

続いて、樋口昌徳氏(八尾市特別養護老人ホーム施設長会 幹事)からは、市内特別養護老人ホームで取り組んでいる就労訓練事業(中間的就労)について、具体的な事例も含めて紹介がありました。

最後に、田辺卓次氏(八尾市地域福祉部長)からは、生活困窮者自立支援制度は地域の実情に合わせて創り上げていく部分が大きな制度であり、地域の方や民間企業とも連携して、より良いものを創っていきたいとの思いが話されました。

ロータリー会員、民生委員児童委員、福祉施設関係者など総勢87名の参加でしたが、「八尾方式」の生活困窮者支援、就労困難者の支援を考える良い機会となりました。